「じょうけん?」
「そうだ。お前は今日から、ここで勉強してもらう。執事になるための勉強を」
「……しつ、じ?」
「ああ。ひなた、お前が16歳になったら、この家から出ていってもらう。その代わり、次住める場所はちゃんとある。その場所でやっていけるように、お前は執事になるための勉強をするんだ。次住む場所にいるお嬢様の、お世話をするんだよ。」
「……?」
その時の俺にはよくわからなかったが、とにかく「オレは拾ってもらった」ということだけはわかった。
だけど、今の俺からしてみれば、ただ執事を増やすために俺を拾っただけだ。
捨てられ、拾われたあの頃が、
すべてのはじまりだった。


