お嬢様のご命令




「キミ、ひとりなの?」




俺がコクリとうなずくと、「うちに来ないかい?」と男は言ってきた。




「知らない人についていっちゃダメ」




そう母に習った。




だけど、母は、俺を捨てたんだ。




どうせ俺はいらない子。




どうなろうと、誰も悲しまない。




あの時の俺は、小さいながら自分の人生を諦めていた。




だから、知らない人についていくという選択肢は、全く怖くなかったんだ。




「行く」




俺は、声をかけてきた男に着いていくことにした。