お嬢様のご命令




母は戻ってこない。




絶対、戻ってこない。




俺を「いらない」と言った母が、迎えに来るわけがない。




自分ではそう理解していても、行くあてなんかなく、ただ待っているしかなかった。




そんな時だった。




黒いスーツを着た男の人が、俺に声をかけてきた。