小室陽向という新しく雇われた執事からは、私に好かれようとか、嫌われたくないとか、そういう感情が伝わってこない。 ただ言われたから来て、言われたからこうやって話して、言われたから笑っているような……そんな感じ。 彼の瞳は、真っ暗な暗闇のよう。 まだ会って本当に間もないのに、私にはわかったの。 だって 私と、よく似ていたから。