お嬢様のご命令




お母様が私に執事が来ると伝えに来てしばらく経った頃。




コンコンコン。




部屋がノックされる。




「私よ。新しい執事がいらしたの。」




お母様の声が聞こえた。




私はゆっくりとドアに近づいていく。




 このドアの向こうに……新しい執事。




 私の大嫌いな……大嫌いな執事。




「……」




ガチャ。




私は部屋のドアを開けた。




……ほんの少しだけ。




そこには




黒いスーツを着た背の高い男が立っていた。