「ねっ、かわいいでしょ?」 お嬢様はそう言って笑みを見せる。 トカゲはお嬢様の手の中で案外大人しくしていた。 目がくりっとしていて、かわいいと言われたら確かにかわいいかもしれない……。 俺がまじまじとトカゲを見ていたその時だった。 トカゲは何を思ったのか、お嬢様の手からスルッと抜け出して俺の顔に飛びついてきた。