お嬢様のご命令




庭に出て一緒に歩くお嬢様と俺。




「空が綺麗!」




お嬢様は空を見上げてそう言う。




「そうですね。」




俺はニコリと笑みを見せてお嬢様の話に合わせる。




……空を、綺麗って思えないんだ。




どんな空も、いつの空も、変わりなく見えて……そのうえいつも、曇って見える。