こうなったのには、大きなきっかけがある。
小さい頃、親が離婚した。
母の方についていくことになったが、母はしばらくしてから再婚することになった。
そして再婚相手との子どもも生まれ、俺はいらない存在となった。
聞いてしまったんだ。
ある夜、眠れなくてまだ明かりのあるリビングに顔を出そうとしたとき、母が再婚相手の男に言った。
『離婚した相手の子どもなんて、いらないわ。見てるだけであいつを思い出すのよ!』
俺は、いらない子。
そう理解した。
それから数日が経ち、母に買い物に連れ出され、買い物先の商店街で「ここで待ってて、すぐ戻ってくるから」と言われ、言われたとおり待っていた。
だけど、母親が戻て来ることはなかった。
「すぐ」って、どのくらい?
子どもだった俺にはわからなかった。
昼頃だったのが夜になった時、俺は気づいたんだ。
「捨てられた」んだと。


