「お母様~♪」




コンコンッとドアの叩く音とお嬢様の声で我に返り、気づくとお嬢様の母親、瑠璃様の部屋の前にいた。




 ……いつの間に。




俺は瑠璃様の部屋のドアを見つめていた。




すると。




ガチャッ




「ゆずき、どうしたの?」




瑠璃様の部屋のドアが開き、瑠璃様がお嬢様を見て少し驚いた様子だった。




「おはようございます」と俺は瑠璃様に一礼をする。




「お母様!外に行ってもいい??」




お嬢様はド直球で瑠璃様に尋ねる。




「そ、外?どうして?」




瑠璃様はもっと驚く。




 普段お嬢様は、外へは行かないのだろうか。




「行きたいの!」




「……そ、そう。じゃあ綾瀬と荻野を呼んで……」




「いやよ!」




 ???




 うまく話についていけない俺。