「陽向は、何か好きなものはあるの?」
「好きなもの……ですか。」
好きなもの……?
そんなの、考えたことなかった。
どう答えれば……
「ないの?」
「……そうですね、特にありません。」
正直に言ってしまった。
「ふーん。じゃあ、好きな食べ物は?」
「え」
好きな食べ物……
俺は、捨てられたあの頃から、食べ物をそんなにおいしく感じたことがない。
小さい頃、おいしいと感じた食べ物の味も、もう忘れてしまった。
だから、好きな食べ物も思いつかない。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…