「ゲームを、クリアして!!」
……え?
「げ、ゲームというのは?」
俺は何か聞き間違えたのかともう一度お嬢様に聞き返す。
「ゲームはゲームよ!これ!!」
そう言ってお嬢様が差し出してきたのは……ゲーム機。
持ち運びができる折りたたみ式のゲーム機だ。
「これですか……?」
俺は差し出されたゲーム機に視線をやる。
「そう!それのね、モンスターがすごく強いの!その先に行きたいのに、どうしても勝てないのよ!!だから、そのモンスターに勝って!男の人ってゲーム強いでしょ!?」
俺は、その言葉に戸惑いを隠せなかった。
だって、そんな命令をされたのは、初めてだったから。


