「ゆずきお嬢様ですね、改めてよろしくお願いいたします。私、執事になんでもお申し付けくださいませ。」
俺は右手を自分の胸に添えて頭を下げる。
「……なんでもいいの?」
お嬢様は俺に聞いてくる。
「はい。どんなことでも。」
俺は道具。
どんな使い方をしてもらってもかまわない。
俺は、どんなことがあっても傷つかない。
「本当に、なんでもいいのね?」
「はい。どんなご命令でもかまいませんよ。」
俺はそう言ってお嬢様に笑いかける。
「じゃあ……」
どんな命令でも、驚きはしない。
もう、雑に扱われることには慣れているんだ。


