「私はあなたが執事としてつく子の母親の瑠璃です。」




女性は俺に自己紹介をしてくれる。




「はい、瑠璃様。よろしくお願いいたします。」




俺はすぐに返事をする。




それから女性はまた何も話さなくなった。




階段を下りて左の通路の一番奥の部屋につれていかれ、「ここがあなたの部屋よ。」とお嬢様の母親に教えてもらう。




俺が自分の部屋だと言われた場所のドアを開けると、むわっとした空気が漂っていた。




……ホコリだらけだ。




部屋もぐちゃぐちゃで、物置のよう。




真っ暗で、窓もない。




電気は奇跡的につくようだが、こんなに綺麗な家の中に、こんな部屋があるのかというくらいの空気の悪さだった。