宛先は天国ですか?




良かったと胸をなでおろして、わたしは早速話し始めた。


「あの、ネット恋愛している友人がいて、今度その相手と会うらしいんですけど。

その、なんか少し心配なので、どうしたらいいかと思いまして」

うまく説明できませんが、と付け足すと、将太さんは苦笑いをした。

それからそっとわたしに笑いかけると、

「人の心配をする前に、自分の心配をしたらどうでしょうか」

困ったようにわたしの髪をふわりと撫でた。


…どういうこと?

わけがわからず首を傾げると、将太さんはますます困ってしまった。

「そうですねぇ、暖々さんは、実質知らない人と会う友人のことが心配なのでしょう?」

確認してきた将太さんに、わたしはコクコクと頷いた。


「うまく言えませんが、簡単に言うと私のことも怪しむべきですよ。

私だって実質知らない人なんですから、簡単についていっちゃダメでしょう」

まるで幼い子に言い聞かせるような口調でそう言う将太さん。