宛先は天国ですか?




…佐川先輩の面影があるって、もしかして、その佐川先輩というのは…。


チラッと康也さんを見やると、康也さんはわたしの視線に気付いてニコリと微笑んだ。

それからペコッとお辞儀をすると、

「佐川 亮介さんと同じ部署だった島崎 康也です。

佐川さんには新人のときに大変お世話になりまして…」

将太さんに声をかけたときとは違う、大人びた笑みでそう言った。


…つまり、わたしの父が、康也さんが新人だった頃の上司だったってこと…?

そして、父に幼い頃の写真を見せてもらったりしたのかな。

だから、娘であるわたしの顔と名前を知っていたのかな。


そんなことを思いながら、わたしもつられてペコッとお辞儀をした。

「父の、後輩だったんですか?」

恐る恐る問いかけると、康也さんは「そうです」とはっきり言い切る。

「佐川さんの後輩でした。

ああ、そこの彼とは高校が同じで、俺が部活の先輩だったんですよ」