康也さんはマジマジとわたしの顔を見たあとに、将太さんにふと笑いかけた。
「もしかして、佐川 暖々ちゃん?」
驚き目を見開いて康也さんを見ると、康也さんはわたしの視線に気付いてニコリと笑う。
…なんで、サラッと言ったけどなんでわたしの名前を知ってるの…?
将太さんの知り合いだし、将太さんが言ったとか?
でも、写真は撮ってないはずだし、顔見ただけで誰かなんて分からないはずだよね。
おかしいなぁ、と首を傾げていると、将太さんもニコリと笑った。
「そうです、佐川さん。よくわかりましたね」
すごい、と言った将太さんに、康也さんはまあなと自慢げに笑う。
「面影があるんだよなぁ、佐川先輩の」
目とか唇とか、と言ってわたしの顔を再度見つめ始める康也さん。
そんな康也さんを、将太さんはそうなんですねと軽く流してわたしの方を見た。
康也さんからの視線が痛いようで助けを求めるも、将太さんは困ったような顔をするだけ。
…話し方からして康也さん、将太さんの先輩っぽいし、止めにくいのかな。
仕方なく我慢することにして、さっきの言葉の意味に気が付いた。


