宛先は天国ですか?




ただ呆然と煙の行方を見つめ涙を流すわたしに、

「暖々さん、これを見てください」

そっと、指でわたしの涙をすくいながら、将太さんは手紙を差し出してきた。

ひらっとめくると、宛名はなぜかわたしに、差出人は早野先生になっていた。


驚き戸惑うわたしに、将太さんはふわりと笑いかける。

「その手紙、私への手紙に同封されていたんです。

それを、きっと真実を知ることとなった日に、暖々さんに渡すようにと」

…きっと、真実を知ることとなった日。

遠回しでよく分からない言い回しだけど、なんとなく、分かってしまった。

「夏帆が元気にしているからと、手紙に書いていたんですよ。

だけど、まさかこんなにも早く、真実を知ることになるとは」


早野先生はきっと、将太さんに嘘をついたのだろう。

元気にしていると、自分は元気であると。

その嘘を信じた将太さんに、いつか必ずわたしが早野先生の死を告げることを、わたしに口止めしておきながら分かっていたのだろう。