将太さんが手紙を読んでいる間、チクチクと刺さる視線が痛かった。
将太さんはそんなの気にも留めていなかったが、わたしは気になって仕方なかった。
周りからすれば、わたしたちのことが気になって仕方ないだろう。
どこを見ていればいいのか、何をしていればいいのか分からず下を向くわたし。
目の前では、年の離れた兄に見える将太さんが、真剣に手紙を読んでいるわけで。
どういう状況なのか、ぱっと見じゃあ全く分からない。
俯いてたら、怒られてるようにも見えなくないだろうし。
少しして、さっと読み終わったのか将太さんが、何も言わずに手紙を返してきた。
「あの、将太さん…」
恐る恐る声をかけると、将太さんはすっと下を向いた。
「…わたし、一昨日、早野先生に会いに行きました」
なんとかそう伝えると、今度はぱっと顔を上げてコテッと首を傾げた。
「夏帆に、ですか…?」
尋ねてくる将太さんにコクコクと頷く。


