宛先は天国ですか?




「さあて、そろそろ行こうかね」

わたしがアイスを食べ終わったのを見て、祖母が笑いかけながらつぶやいた。

残りのお茶を飲み干してから、わたしはコクンと頷く。


祖母と一緒にまた先程待ち合わせ場所にしたところへと向かう。

そこにはもうすでに将太さんがいて、わたしに気付くと軽く手を振ってくれた。

嬉しくて振り返すわたしに、祖母が「早く」と手を引いて祖父と将太さんのところまで急ぎ足で向かう。


「お話はできました?」

ふわりと笑って問いかけた祖母に、祖父が真顔のまま「まあな」と答える。

将太さんはその隣でひとつ頷いてから、わたしの方を向いて、何かをわたしの手の上に乗せた。

「…これは?」

キョトンとして尋ねるわたしに、将太さんがニコリと笑いかける。

「飾りの付いたヘアピンです。これなら使っていただけるかなと」

将太さんからもらったそれを見ると、和風な飾りの付いたピン留めだった。

確かにわたしの学校ならこれくらいは大丈夫だし、普段から使うことができる。