宛先は天国ですか?




祖母に手を引かれて、わらわらと店の並ぶ通りを歩いていく。

騒がしくいかにも楽しそうな人の声の中に埋もれていく。


「あそこでお茶とお菓子でもいただこうか」

祖母はそう言って、通りから少しそれた場所にある休憩所にわたしを連れて行く。

和風な感じ、祖母が好きそうな雰囲気のお店だ。


お店に入って、ひとまず抹茶アイスをいただくことにした。

それだけでは体が冷えてしまうからと、祖母が勝手に熱いお茶も注文する。

毎年どこかの休憩所に入っては、こうして真冬にもかかわらずアイスを食べた。

真冬のアイスは冷たいが、これまたなかなか美味しいからである。


パクパクとアイスを口に運ぶわたしを見て、祖母はふふっと微笑んだ。

「あの人とはどこで知り合ったんだい?」

祖母の言うあの人とは将太さんのことだろう。

わたしはピタッと手を止めてしばし考えた。

…どこで?