宛先は天国ですか?




神社について車から降りる。

三が日が過ぎた今日も、まだまだ神社は混み合っていた。

迷わないように、はぐれてしまわないように、気を付けなければ。


そう思っていると、将太さんが何も言わずにすっと手を繋いだ。

ギュッと、いわゆる恋人つなぎというやつをする。

…なんだかすっごく恋人っぽい。

たかだか手の繋ぎ方なんだけど、それだけでも恋人らしさが出る。

恋人なんだから、当たり前かもしれないけれど。


…すごく緊張して、まともに将太さんの顔見れないや。

お参りをするときだけ、するりと離れた手と手が、少し名残惜しかった。


手を繋いだことがないわけではないけれど、恋人つなぎはもちろん初めてだから。

とにかく緊張したけれど、でも嬉しい。


…今年は、もっともっと将太さんのことを知れますように。

…また、機会があれば将太さんにお手紙を書こうかな。

言いたいけどなかなか言えないことも、きっと手紙の中なら素直に言えるから。