いきなりだったから、仕方ないかもしれない。
だけどやっぱり将太さんと行きたいから、ここで諦めることなんてできない。
黙って答えを待っていると、祖母はふふっと微笑んだ。
「誘ってくれたのは誰かしら」
どこか嬉しそうに笑いながら問うた祖母に、わたしは「え、」と言葉をつまらせた。
「あの、…彼氏…」
ボソボソと小さな声で答えると、祖母は「まあ」と言ってまた一層笑みを浮かべる。
彼氏の存在を打ち明けたのは、これきりではない。
昔できたときも言ったんだけど、初詣に誘われたのは初めてだ。
「ののちゃん、その人さえ良ければおばあちゃんたちも一緒に行きたいのだけれど、ダメかしらねぇ」
…祖母は見抜いているのかもしれない。
もしかしたら、その彼氏というのが同い年でないことも。
そうじゃなきゃ、一緒に行きたいだなんてなかなか言わないはずだ。
「ちょっと待って、聞いてみるから!」
手に持っていたスマホの電源をつけてメールを打ち込んでいく。


