宛先は天国ですか?




おかしそうに笑う璃子に、わたしはそんなにおかしいのかと内心焦った。

そんなに笑われちゃあ、なんかものすごく恥ずかしいじゃないか。

ちなみに将太さんとは、

『未だに信じられないんですけど、わたしなんかで良かったんですか?』

『私も信じられないんですけど、むしろ暖々さんは良かったんですか、こんなおっさんで』

みたいなやり取りを数回続けたあと、今度いつ会うかという話をしていた。

わたしが暇になるのと比例して、将太さんは忙しくなってしまう。

郵便局員の年末年始だ、暇な訳がない。

分かってはいたけれど、わたしは冬休みが終わったら今度の実習のために忙しくなる。

また、なかなか会えなくなってしまう。


「あーでも、無事付き合えたみたいで良かった」

ふふっと笑って璃子はわたしにスマホを返してくれた。

そこに、環奈ちゃんが「なになにー?」とやってくる。

「2人とも仲直りしたの?

というか、暖々ちゃんいい顔してるけど、もしかして…」

ニヤニヤと悪女ヅラをする環奈ちゃんに、わたしは少しだけ苦笑いをした。

でもそれから、

「好きな人と、付き合えたの」

素直に、正直にそう言った。