宛先は天国ですか?




行儀が悪いよと声をかけるも、いいのいいのと返されてしまう。

…いいのいいのって、良くないでしょう。

バレないくらいに小さくため息をついてから、また璃子の方を見た。

なんだかんだ、久しぶりすぎるこういうやり取り。

いつもなら呆れちゃうことすら、なんだか逆に嬉しくなる。


また、前みたいな関係に戻れたことが、とにかく嬉しいんだ。


「…ほら、見てみて!

11月の終わりのことだから、結構前なんだけどさ…」

璃子が見せてくれたのは、とある写真だった。

写っているのはお洒落をして大人っぽくなった璃子と、見覚えのある男性。

始めは誰か分からなかったが、まじまじと見つめているうちに気付いた。


会ったのは一度だけだから、もうほとんど忘れかけていたけれど。

「この人って、もしかして樹さん?」

男性を指差して、璃子に問いかける。