勉強用具を引っ張り出して机の上に広げた。
返事を送ってから間もなく、またチカっとスマホの電源がつく。
返信を待っていてくれたのだろうか。
送ってからまだわずかしか経っていないというのに返信がくるなんて。
…なんて、多分わたしがそうであってほしいと願っているだけなんだろうけど。
『では、駅前の喫茶店でお茶でもしましょう。またいつものところで待ってます』
将太さんからのメールに、『了解です』とだけ返す。
それ以外に返す言葉も思いつかないし、話を広げる必要もないし。
第一今日は、話を続けるなんて到底無理である。
「…逃げなきゃよかった、かな」
きっと将太さんは、返事をしなければと気を遣ってくれたのだろう。
あの場で返事をもらっていたら、こう気を遣わせることもなかったかもしれない。
でも、会う口実になったから、いいかな。


