宛先は天国ですか?




圧倒されてか、ぽかんとしてしまった将太さんを見て、さらになんて言えばいいのか分からず焦る。

「えっと、まあ、そういうことだから!おめでとう!」

それだけ言って、将太さんが何か言う前に背を向ける。

それから逃げるようにして、家まで真っ直ぐ走って帰る。


そんなに長く走っていないはずなのに、家についた頃には苦しいくらいに息が切れていた。

このまま息が止まってしまいそうなくらいにドキドキしている。


「あら、ののちゃん随分お疲れねぇ、どうかしたの?」

家についた瞬間、祖母がひょこりと出迎えに来てくれる。

帰ってくるのも早かったし、と言って不思議そうに小さく首を傾げた。

そんな祖母に言えるはずもなくて、「なんでもない!」と言って目をそらした。

みるみる頬が熱を帯びていく。

そんなわたしを見て、祖母は「青春ねぇ」なんて言ってふふっと笑った。