ああでも多分、将太さんがそれだけ魅力的な人だからだろう。
優しくて人が良くて、でも自分の意見はしっかりと伝えてくれる。
そんな、真っ直ぐな将太さんのことが、わたしも早野先生も大好きだから。
「うーん、だから、ごめんね」
謝るよと言って、早野先生は軽く苦笑いをした。
こんなにもあっさり謝られると思っていなかったため、拍子抜けしてしまう。
空気が重くなるのも嫌だけど、こうもあっさり謝られるとどう反応すればいいか分からない。
「えぇと…、まあ、大丈夫、です」
途切れ途切れ言葉を紡いで、謝罪に対しての返事をする。
許さないとか言う気もないし、はっきり言って謝ってくれたならそれでいい。
早野先生の様子から察するに反省とかはしているだろうし、責める気もない。
それに、努力したって誰かになれないということは、結局自分は自分のままだってことは共感するから。
わたしも、いくら取り繕っても結局子供のわたしのままで、将太さんの隣に並ぶのに相応しくはなれないのだから。


