風の音が、やけに鮮明に聞こえた。
さぁっと、流れるだけの音なのに、何もかもかき消すような。
「…別に、将太さんがそうしたいなら、そうすれば、?」
何も言えなくて、苦しくて悲しくて、口から出たのは嘘っぱち。
嫌だと素直に言えない自分に苛立って、立ち上がり将太さんに背を向ける。
わたしを呼び止めようとする声が聞こえたけれど、追いかけてはこなかった。
そんなの、当たり前なのに、どこか悲しくて。
…ありえない、こんな急展開。
なんで、素直に言えなかったのだろう。
もし拒絶されるとしても、想いを伝えた方が絶対に後悔しなかったのに。
泣かないように、涙をこらえて家に帰ろうとする。
けれど、夕飯は食べてくると言ってしまったのを思い出して、コンビニに寄ることにした。
適当なものを購入して、人気のない公園で1人風に吹かれ食事を済ます。
…強がりで、嘘つきで、大馬鹿者だよ、わたし。
最近はほんと、何もかもうまくいかないんだから。
わたしが、素直になれないせいで。


