顔を上げなくても、それが将太さんだと分かった。
ドクドクと、心臓の音がだんだんとうるさくなっていく。
どうしてそこまで緊張しているのか、わたしにも分からない。
恐る恐る顔を上げると、将太さんが不安そうな顔でわたしを見下ろしていた。
その顔が、余計にわたしの心を乱して焦らせる。
「…あの、」
声をかけると、将太さんが薄い笑みを浮かべてみせた。
それから、わたしの横にそっと腰をかける。
わたしの方を見ることなく、どこかを呆然と見つめていた。
「…私なんかと、会ってていいんですか?」
何か話さなきゃと焦る中、口を開いてくれたかと思えば訳の分からない質問をしてくる。
会ってていいんですかなんて、良くなかったらこんなふうに会ってないに決まってる。
素直にそう言えばいいのに、
「なぜ、ですか?」
わたしはすぐさま理由を求めてしまった。


