反論されるとは思っていなかったのか、早野先生はあっけにとられている。
納得のいかないというような顔をして、わたしをじっとり睨み回す。
「どうしてよ」
苛ついているのが見てとれた。
明らかにわたしに対して苛立ちを覚えている。
それでも怯まないで、わたしは早野先生の前で堂々としていた。
怯んでしまったらきっと、早野先生の思うがままだ。
叶わない恋だっていい、叶えたいけど叶わないならそれでもいい。
ただ、必死にはなりたいの。
少しでも可能性があるなら、いやそれがなかったとしても、必死にもがきたい。
他人に干渉されて、他人の言葉に揺らいで、それでかんたんに諦められる恋はしていない。
そうじゃなきゃ、何年も何年も、会ったことすらない大人の人に、恋なんてしない。
要するにわたしには、早野先生の言葉なんて届かないの。
