…夏帆さん、か。それにしてもどこかで見たことあるような気がするんだけど…。
秋らしい服を身に纏いニコニコと笑っている彼女を見つめる。
そのうちわたしの視線に気付いた夏帆さんは、わたしを見て少し驚いた顔をしたあと、ニコッと微笑んだ。
驚いた訳も分からないまま、わたしもニコッと微笑み返す。
それから夏帆さんは将太さんの隣に座ると、見せつけるように腕を絡めた。
それを、嫌そうな顔をして振り払う将太さん。
「もう、つれないなぁ。せっかく久しぶりに会えたのにぃ」
夏帆さんに腕をギュッと掴まれ、将太さんはむっと顔を歪めた。
一生懸命に夏帆さんの腕を離そうとしながら、
「できれば会いたくなかったんですけどね」
いつもみたいな優しい声とは違う、冷たく尖った声でそう言った。
…あれ、なんかこれ、修羅場ってません?


