宛先は天国ですか?




膝の上においていた手をまたぎゅっと握りしめた。


「…大したことじゃ、ないので」

将太さんとまったく同じ言い訳を使って言い逃れようとする。

そんな言い訳で、簡単に言い逃れられるわけがないのに。


案の定将太さんはくすっと笑みを浮かべると、優しい声で言った。

「少しはアドバイスもできますし、話すだけで何か変わるかもしれませんよ」

そう言って、将太さんは冷めかけたカフェオレを口に運んだ。


…そっか、将太さんにならアドバイスをもらえるかもしれないんだ。

それに、確かに話してみたら何か変わることだってないわけではない。

…ただ、うまく話せない。


「えっと、その、友人といろいろ、うまくいかなくて…」

結局、璃子と何があったのかすべて省略してしまって、いま現状の報告になってしまった。

もっと、ちゃんと話さないと、アドバイスするにできないだろうな。

申し訳なくなって下を向いた。