具体的に、というのはどんな話をすればいいものか。
話したいことをしっかりまとめてこれば良かったと後悔する。
「そう、ですね。
うまく説明できないんですけど、患者さんの転落、転倒防止の工夫がたくさんありました。
看護師さんがすぐに対処できるようになっていましたよ」
一度話し始めると、特に考える間もなく話したいことがでてくる。
まとまりのない内容の話を、将太さんは嫌がらず相槌を打ちながら聞いてくれる。
そんな将太さんに、わたしの学べたことをまたどんどんと話した。
そりゃあ、話すべきでないことはちゃんと話さないようにはしたけれど。
「本当にたくさん学べたんですね」
クスクスと笑う将太さんにわたしも笑いかける。
するとふと、将太さんがわたしから目をそらして、小さく息をついた。
ため息ともとれるそれに、わたしは首を傾げる。


