早野先生は璃子の気遣いにお礼を言うと、教卓の方へと歩いていく。
先生に止められてしまったため、今更なんとも言えず、璃子は自分の席に戻っていった。
環奈ちゃんも、隣の席に座り前を向いた。
でもそれから、ちらっとわたしの顔を覗き込むと、
「ちゃんと元通り、仲直りしないとダメだよ」
こそっと耳打ちをしてきた。
「…うん」
返す言葉が見当たらず、とりあえず返事だけでもしておいた。
…分かってるよ、分かっているんだけど。
素直になるかならないかはわたし次第で、口が勝手に嘘をつくなんて言い訳に過ぎない。
わたしが言いたくないから言わないだけだというのは、重々承知だ。
璃子のことは信用してるし、頼りにしているんだけど。
なんでも話せるのかといったら、それは話が別になってしまう。
いや別に、璃子がなんでも話しなさいと言っているわけではない。
ただ、1人で溜め込まずに打ち明けてほしいと思っているだけなのも承知している。
ただ、どうしても怖い。


