宛先は天国ですか?




とりあえず立ち上がり、まとめノートを鞄にしまって膝丈のスカートをはたく。

ミニスカートなんて履く勇気わたしにはなくて、膝丈くらいかそれより下。

まあでも、短すぎないほうがわたしには似合っているし、これくらいが好きだし。


「…じゃあ、もう行きますか」

話していればちょうどいいくらいの時間帯で、そう声をかけた。

といっても電車が来るのはだいたい40分頃だから、時間まではもう少しあるのだが。


将太さんはまた時間を確認すると、「そうですね」と言って立ち上がる。

またいつものように、将太さんの横に並んで歩く。

どうしてか、将太さんは後ろを歩かれるのが嫌いみたいで、歩くときはいつも横に並ぶ。

なんだか、今日はそれがやけに嫌で、モヤっとした。


中学校での友人だった彼女たちを、見かけてしまったのが1番の原因だろう。

隣に並んでいながら、わたしだけずっと聞き手だったものだから。

それも、本当に聞いてるだけで、話に馴染めてなくて、わたしだけ別の世界にいるような。