「久しぶりだね、雨」 真っ暗な空間で、一際輝く彼は優雅に笑った。 私はまた彼の夢を見ているらしい。 「フフッ。 私に会えて嬉しいというわけじゃなさそうだ」 フワリと私の方に来て、緋い髪をサラリと撫でる。 不思議と嫌悪感は感じない。 「どうやらこの世界はお前にとって有効らしいな」 怪しい笑みを浮かべた。 「…どういうこと?」 私の問いに、ただ笑っていた。 何も答えないということは、教えられないという意味だろうか。 少し殺気を放ちながら睨みつける。