「それで、電話したんですけど……桐生が出たんです」


それは……もし、かして……。

那月くんに誤解されたんじゃないかと心配になって、慌てて起き上がる。


「ち、違うの、あの、酔ってからの記憶が……」

「わかってます。疑ってないから安心してください」


那月くんは怒るどころか、申し訳なさそうに顔を歪めていた。


「俺に心配かけないように、行く前に連絡してくれたんですよね」


こくりと頷いて返すと、那月くんがそっと私の頬に手を伸ばしてきた。

大きな手から、伝わってくる那月くんの体温。

久しぶりに触れられて、それだけなのに心臓が大きく高鳴った。


「電話で桐生から、百合花さんが酔って眠ったって聞いて……いてもたってもいられなくて」


それで、わざわざ戻ってきてくれたの……?

那月くん、きっと休む暇もないくらい忙しいと思うのに……。


「ごめんなさい……」

「いえ、俺の方こそ……」


那月くんが、抱きしめる腕に力を込めた。



「こんな独占欲まみれの男で、ごめんなさい」


那月くん……?

さっきから、どうしたの……?



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昨日更新をお休みしてしまって申し訳ございません…!
明日、完結予定です!

最後までふたりの恋を見守っていただけると嬉しいです…!