別に面白いことを言おうなんて思わなくていいのに。真面目すぎ。


「そんなことありませんよ。現に俺、百合花さんと話してて楽しいですし」


そう言えば、百合花さんの表情がまた変わった。
ぱああっと、顔色が明るくなった。


「あ、ありがとうございます」


……今の笑顔は結構やばい。
女性に健気さなんて全く求めていなかったけど、タイプごとこの人に変えられそう。

健気な女が好きだという男の気持ちが、ちょっとわかってしまった。

この人の場合は計算じゃないからさらにタチが悪い。


「そうやって、実はすぐ顔にでちゃうところも可愛いと思います」


今のに、ぐらっとこない男はいないだろ。


「……」

「ふっ、また難しい顔になってます」


新鮮だからか、どんな反応が返ってきても可愛く思えてしまう。

自分が、想像以上に百合花さんにハマっていることに気づいた。

やっぱり、付け入るのは今しかないよな……。
でも、百合花さんってどうやったらなびいてくれるのは知れば知るほどわからない。

今まで、どんな恋愛してきたんだろう。