ゆとり世代なんて言われているけど、みんな一生懸命頑張っている。仕事を覚えてもらえる度、彼女等の頑張りが認められた気がして、私まで報われた気分になった。
「お疲れさまです」
私の言葉に、近くにいた社員さんが同じ言葉を返してくれる。後藤君のいる部署に移動して、彼の姿を探した。
あっ、よかったいた。
ディスクの前で、女性社員と話す後藤君の姿が見える。まっすぐにそちらへ近づいて、会話が聞こえるほどの距離になり、私は気付いた。
——っ。
後藤君と話している女の子、お昼休みに見た女の子だ。私のことを、話していた子たち。
「えー、今日残業なの?」
「こっちがえーって言いたいよ。今日弁当忘れてさ、買う時間もなくて昼も食ってないのに夜まで。もう社食も閉まってるし、腹が鳴って仕方ない」
「あたしコンビニでなにか買ってきてあげよっか?」
「いいよ。コンビニ遠いし、堤に借りは作りたくない」
楽しそうに話す声が聞こえて、足を止める。
同期なのかな?私は仲のいい同期はいないから……少し羨ましいな。
って、同期だけだけじゃなくて、社内にすら仲のいい相手はいない。