「名前で呼んでほしいとか、なんですかそれ……」

「だ、ダメですか?」

「いいに決まってるじゃないですか。……百合花さんがあんまり可愛いから、朝から心臓に悪いです」


ま、また、可愛いって……。

言われ慣れていない言葉と同時に、それを口にしているのが那月くんというふたつの意味で嬉しさと恥ずかしさが相半ばする。


「ぽっ、じゃないです……ああもう、仕事行きたくない……」


ぽっ?


「もう少しだけ、いちゃいちゃしましょ」


突然体を起こした那月くんに、押し倒される体制になる。

戸惑っている間に首筋にキスが降ってきて、私はされるがままになった。