【完】悪名高い高嶺の花の素顔は、一途で、恋愛初心者で。




「あの、私も話しますね」


那月くんの反応は怖いけれど……それでも、これ以上すれ違ってしまうことが一番怖いから。

ん?

話し始めようとした私を見て、何か言いたげな表情をしている那月くん。


「先輩、敬語……」


どうやら、私がさっきから敬語を使っていたことが気になっていたらしい。


「は、話すね」


こほんと咳払いをして、訂正をした。

小さく深呼吸して、告白を始めた。


「まず、社長とのことなんだけどね……」


きっと那月くんが一番気になっているだろうことから、話を始めた。


「彼は、義理の父なの」

「……え?」


拍子抜けしたような声が、室内に響く。

そうだよね、驚くのも無理ないよね……。

社内でも、知っているのはごく一部の人だけで、私から誰かに告げたことはないから。


「だから、家族って言ったのも、親戚って言ったのも……嘘ではないというか……」

「社長が、先輩のお父さん……?」


確認するようにそう聞かれて、深く頷く。