「あ…」
「お、どうした心」
「どうしたって…あんたが…あ、」
真が遅いから心配した。
そう、言おうとしたその言葉は次の瞬間喉の奥につっかかって出てこなくて。
「近くまで来たんだって。さっき連絡来てさ」
「あ…そうなん、だ」
「お邪魔しても、大丈夫…かな?」
消極的に真の後ろに立って私からの返事を待つ、栞さん。
真の腕をぎゅっと、強く握っていて。
「あははは、どうぞどうぞ。お入りください!」
笑顔で、そう、返した。
この間から、栞さんと真を見るたびに痛むこの胸。
この痛みがなんなのか、まだよくわからなくて。
だけど、もう少しで、あと少しでわかりそうなのに。
それを、知りたくない…明かしたくない自分もいて。

