『ずっと一緒だよ』

と、いつも私の隣で笑っていた兄。

どこに行くにもなにをするにも常に一緒で、

…いや違う。
常に私が兄の背中を追いかけていた。

ずっと隣に並びたくて。


だけどその兄は突然、私の前から姿を消したんだ。


『じゃあね』『またね』

その言葉も無しに、ただ突然と。

だからもう、正直、兄の顔なんて思い出せないし思い出そうともしていない。

だって、『ずっと一緒』
その約束を破った兄を、私は許していないから。


その兄が姿を消し、数日後にはもう駿が私の隣にいたんだ。