ふふふ、と二人笑って、せーのと大きな声を上げる。


そして―…



「「好きだった…っ!」」



二人の声が重なり、ニッと歯が見えるくらい、笑いあう。



もう、振り向かない。
もう、ここに置いていくの。
そしてここから、またスタートするの。


じゃあね、は言わないよ。

だって私たちは“兄妹”だから。



背中を向けて歩き出す。
これが私たちの再スタート。



戻るの。兄妹だったあの頃へ。
帰るの。私たちを待っててくれる大切な人の元へ。