『あら、これもっ』
『これもいいわねぇ』
『これも買っておこうかしら』

買い物にいくたんびに増える、あいつへのプレゼント。
それを段ボールへ詰めてお誕生日とかなにかの記念日でもないのに、それをあいつの住んでいる場所へ…おばあちゃんちへ送る。

きっと私たちは双子で、ずっと一緒にいて、だけどお母さんとお父さんの中では一緒に過ごしてきた私よりも、離れて暮らしているあいつの方が常に心の中にいて―…。

「どうしてみんな、笑っていれるのかな」

どうしてみんな。あいつの離れた理由を知らなくても笑っていれるんだろう。
どうして、どうしてみんなあいつの離れた理由を聞かないんだろう。


あぁ、

そうか。


「駿は、知ってるの?あいつの離れていった理由」

「え?」

「…ううん、なんでもない。帰ろう。」

きっと私だけなんだ。

私だけ、知らないんだ。…だから、


「双子って…なんなんだろう」


私は誰にも聞こえないような小さな声でポツリとそう言い残し、その場を後にした。