今日一日、何も言われずただ真の彼女として過ごした。

そりゃあ、私にとっては凄く幸せで。真の彼女なんて一生ありえないことで、もうそれはそれは今日が夢みたいな日で。
真と付き合ったら、付き合えたらこんな感じなんだぁって考えられる一日で。
だけど嬉しいと思う、幸せと思うその反面、考えるのが苦しかった。

だってそれは、やっぱり私には一生なれない不可能な関係だったから。


真はどうして私に、今日一日限定の彼女になってと、言ったのだろう。

私は窓の外を見ている目の前にいる真の手にゆっくりと触れた。

「…どうした?」

異変に気が付いたのか優しい声でこっちを向く。目と目が合い、ニッコリと微笑む。

そして口を開こうとした、その時。

目の前の真の口が私よりも先に動くのがわかった。