「ではお次の方どうぞー」
観覧車の列に並び数分。私たちの番が来て案内のお姉さんがゴンドラへ招いてくれる。
先に真が乗ると、真は私の手を引きゴンドラへ乗せてくれる。
そして二人が乗るのを見るとゆっくりと扉が閉まっていった。
「うわぁ…意外に大きいんだね。このゴンドラ」
「あぁそうだな。地元のとは大違いってか」
「あははっ。比べちゃダメだよ。値段だって大幅に違うわけだし」
地元の遊園地は私のお小遣いで行けるようなチケット代だったけど、ここは全然違う。何日間か働かないとこの一日のチケットは手に入らない。
真に悪いから私の分は自分で払うって最初から言っているのにも関わらず真は私に一切払わせようとしなくて。
『“彼女”だから』
その一言で、今日は私を黙らせる。

