「ごめんな、心」
「え?」
それから私は駿の隣に戻って、あいつがくれたメロンパンを開けて食べはじめた。
これが空腹には勝てないということだ。
「俺さ、あいつが…真が戻ってくるの知ってたんだ」
「…」
「春休みがはじまってすぐぐらいにさ、連絡きて。…それで―」
「じゃあ、お母さんたちも知ってるんだ」
もぐもぐとメロンパンを口に含む。
外が少しカリッとしてて中にはクリームも何も入っていない。
そんなメロンパンが大好きで、口を休める暇もなく食べ続ける。
「多分、驚かせたかったんだと思う。お前昔から真のこと大好きだっただろ」
「それは昔の話でしょ。今はもう大嫌いな分類に入るよ」
「うん、まあお前の中じゃそうなんだろうけどさ」
「…お母さん、ごちそう作るって言ってた?」
「え?」
「帰ってきたから…どうせパーティするんじゃないの」
「あ…あぁ、俺も誘われたよ。俺の家族も行くって」
「…そっか」

