恥ずかしい、恥ずかしい。無理、無理。離して。
願っても駿は離してなんかくれず、ただただ時間が過ぎるだけ。
恥ずかしくて逸らしていた赤くなっている顔を駿の方へゆっくりと向けるとそこには私よりも真っ赤なんじゃないか、と思うくらいの駿の顔があって。
「あ、しゅー…」
「座って」
見たかった。だけどその顔は、やっぱり見せてはくれなくて。
駿は目の前にあったドレッサーに私を座らせた。
「駿?なにするの?私時間が―…」
「今日、デートなんだろ、真と」
あぁ、知っていたのか。
私の髪をいじる駿をじっと見つめる。
「精一杯、おしゃれしないとな」
なにを思って、駿は私の髪をいじっているのだろう。どう、思っているんだろうこの状況を。
私が真とデート行くことを、駿はどう思って―…
「ん、できた」
顔を伏せた瞬間聞こえた声に顔を上げると目の前に写っていた自分に目を見開いた。

