ぎゅっと握る真の顔を見ると、それは嬉しそうに笑っているのにどこか悲しい目をしていて。
「うん、わかった」
ニコリと笑顔で返事を返すと、真はじゃあ明日な、と言って部屋を出ていった。
デート。
兄妹で出かけるのをデートなんていうの真くらいじゃない?
私は嬉しくてにひひと笑みを浮かべる。
前に進みたいと思う反面、この気持ちをどうすれば前に進むことができるのかと不安になって。
だって一緒に住んでいるんだもの。気持ちを消すことなんて、できるのか不安で。
これ以上好きになりたくない。
そう思うのに、やっぱり気持ちは素直で。ドンドンと好きが増えていって。
頭で考えているうちにいつの間にか眠れなくなり、やっと眠りにつけたと思ったときにはもう目覚ましが鳴り響いていた―…。

